種麹とは

麹・麹菌とは

日本の食卓には欠かせない味噌、醤油、清酒、焼酎、みりん、酢などの発酵食品はどのように作られるのでしょうか。たとえば米味噌は大豆・塩・米麹を原料としています。そして3つの原料だけで、風味豊かなおいしい味噌になる鍵を握っているのが、まさに”麹”の存在なのです。

“麹”とは蒸した米や麦などの穀物に、“麹菌”という微生物が繁殖した状態のもの。麹菌は15℃以下の温度では働きませんが、15℃~25℃という温度になると働きだし、穀物の炭水化物を糖分にかえ、タンパク質をアミノ酸に変え、穀物のうまみを引き出してくれます。

特にアミノ酸は味噌の味の中心となる成分で、味噌のうまみの元。

アミノ酸がなければ、味噌のうまみは生まれませんから、麹菌は味噌作りになくてはならないものなのです。

他の麹を用いた発酵食品でも、麹菌が様々な形で活躍しています。私たちが味噌、醤油、清酒、焼酎、みりん、酢などのおいしい醸造食品を食すことができるのは麹菌のおかげなのです。

そしてこの麹菌の胞子を回収し、調整したものを“種麹”と言います。

種麹とは

麹菌は糸のような形で穀物の上で生きていますが、生きていく環境が厳しくなると、胞子を作り、その胞子を飛散し、違う場所で子孫を残そうとします。この特徴をうまく利用し、麹菌の胞子を集めて調整したものが種麹です。そしてこの種麹を穀物に撒くと、麹菌が増殖し、麹が出来上がります。お味噌などの醸造食品を作るために必要なものは“麹”、麹を作るために必要なものが、“種麹”となります。
種麹の歴史
麹は紀元前から存在していたとも言われています。当時は穀物にカビが自然に生えてくるのを待って、それを利用したり、偶然に出来のよかった麹を保存しておき、それを次の種として使用するなどして麹を作っていましたが、どちらの方法も良い麹を一定に作ることが難しく、麹の種としては良好なものではありませんでした。 しかし、室町時代に麹に木灰を混ぜて培養したものを麹造りに利用すると、失敗が少ないことが発見され、麹菌の胞子だけを集めて使いやすくしたものが販売されるようになりました。これが現在の種麹の基礎となり、現在の麹作りを支えています。私たちがこのように安定して醸造食品を手に取れるのも、種麹の存在が大きく関わっているのです。
種麹の種類
味噌、醤油、清酒、焼酎、みりん、酢など、麹を基に作られる醸造食品がたくさんあるように、種麹も清酒用の麹をつくるための種麹、味噌用の麹をつくるための種麹、などそれぞれに適した種麹が開発されています。同じように、全国各地の特色のある味噌には、各々その味噌の製造に適した種麹が製造販売されています。また、めざしている商品、外気温や使用原料の品種の違いなどを考慮して、醸造メーカーごとに調製した種麹もあります。日本の発酵食品の数だけ種麹があるといっても過言ではないかもしれません。
最後にー
日本の食文化を支えてきた“麹”、そしてその麹を作る“種麹”は醸造食品の原点そのものといえます。室町時代、良い麹を作る方法の一つとして始まったといわれる種麹作り。糀屋三左衛門は、味噌、醤油、清酒、焼酎すべての種麹を製造する日本に数少ない種麹メーカーです。だからこそ、これからも、日本に伝わる醸造文化を後世に伝えるべく、日夜努力と研鑽を積み重ねてまいります。