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朝の一筆 米のコウジかびまろ話(5)『甘酒』は夏の飲み物?


甘酒と言いますと冬の飲み物と思われますが、季語では夏なのです。江戸時代に書かれた『守貞謹稿』に「夏月専ら売り巡るものは甘酒売りなり、京坂専ら夏夜のみこれを売る。 専ら六文を一椀の価とす。江戸は四時ともこれを売り、一椀価八文とす」と夏に売るものとして登場します。何故、夏にも飲む物なのでしょう?

甘酒には麹菌が作り出す天然の吸収の良いブドウ糖とビタミン類とアミノ酸が多く含まれている総合栄養飲料なのです。江戸時代には夏場の厚さで死亡する人が多かったようですから、夏バテ防止に栄養補給の役割として、街中を売りに来る甘酒を買い求める人が多く、酷暑を乗り切るために、高価なつなぎの蒲焼でなく一椀六文程度の甘酒は江戸庶民に歓迎されたのでしょう。

古代中国にはれいと呼ぶ甘酒を造る専門の官職があり、日本書記に記されている天甜酒(あまのたむざけ)はドロッとした甘酸っぱいアルコール分の低いお酒で、これが甘酒のルーツと言われております。

甘酒はお酒だからアルコールが入っているのでしょう?との質問がよくあります。米と米麹だけで作った甘酒にはアルコール分は全くありません。しかしこれとは別に、酒粕を溶かして砂糖を入れた甘酒には酒粕からのアルコールがほんの少しですが残っているのです。

さて、ここで甘酒の変わった飲み方をご紹介しましょう、甘酒をそのままか軽くすりつぶし、牛乳に三分の一ほど混ぜ合わせます。冷たくしても温めても、牛乳がとても甘く美味しく感じます。かつて甘酒は出産直後のお母さんに良く飲まれておりました、このことも総合栄養ドリンクとして身近な飲み物であったのでしょう。今 の時代でも先述の牛乳甘酒は出産後の女性に適切として愛飲されています。

甘酒に生姜や塩を入れて飲む方もおられますね、好みですから色々誠されると良いと思います。えっ生姜が手元にない?しょうがないですね。塩もない?しぉもないなぁ。

でも私は、麹だけで作った甘酒には何も入れないのが好きなのです。寒い曰に温かい甘酒は本当に美味しいですね。次回はいよいよ最終回、締めくくりの話題は6週間後をお楽しみと言うことで。

※東愛知新聞『朝の一筆』コーナーにて2007年7月から2008年3月にかけて全6回掲載されました当社会長村井總一郎のコラムの転載です。